[도쿄 리포터=토시키 아오야마] 영국 로열 오페라 일본 공연이 9월 12일부터 9월 23일까지 개최됐다.

런던 코벤트 가든을 근거지로 삼는 "영국 로열 오페라"는 빈 국립 가극장, 밀라노 스칼라 극장과 나란히 세계 5대 가극장의 일각을 차지하는 명문 가극장.

영국 밖에서도 즐길 수 있는 "영국 로열 오페라 하우스 시네마 시즌"은 2018년에 10주년을 맞아 올해 세계 51개국 1500개의 영화관에서 상영되고 있다. 시네마를 통해 전세계에서 상시 상영되고 있는 가극장이기도 한 영국 로열 오페라는 세계에서 가장 기세있는 가극장으로 불린다.

영화관에서의 감상도 나쁘지 않지만, 라이브 감상만큼 좋은 것은 없다. 9월 16일 베르디의 명작 "오델로"를 가나가와 현민 홀에서 감상했다.

오델로 역을 맡은 그레고리 쿤드는 투명하고 찬란한 노랫소리를 시종 선보여 청중을 사로잡았다. 힘찬 미성이라는 점에서도 백미로, 종반까지 전혀 흐트러지지 않고 노래해 주었다.

그레고리 쿤드는 지성파 테너라는 말을 듣으며 자신의 목소리와 특징을 판별해 최적인 역을 좁혀 노래하기 때문에 전성기의 목소리를 지금도 유지하고 있다는 점에서 완벽한 테너라고 할 수 있을 것이다.

이아고 역의 제럴드 핀리도 오금이 저리는 노랫소리를 선보였다. 특유의 깊이가 있는 명 바리톤 가수 제럴드 핀리지만 굳이 리얼리즘에서 떨어진 곳에 이야기를 담은 키스 워너의 연출 효과와 겹쳐 비길 데 없는 연기력으로 '오델로'를 빛나게 했다.

지휘는 17년이라는 긴 세월에 걸친 지휘봉을 맡아 온 안토니오 파파노. 파파노 자신이 "어떻게든 일본의 고객에게 보여주고 싶었다!"라고 상연을 열망하고 있던 베르디 만년의 걸작 '오델로'에서 로열 오페라 하우스 관현악단의 연주는 억양이 있고 기력이 발군이었다.

로열 오페라 합창단의 합창도 본고장에 참모습의 박진감 있는 대합창으로, 이번 공연에서만 맛볼 수 있는 감동을 청중에게 안겨주었다.

[Photo(C)Kiyonori Hasegawa]

The Royal Opera Japan Tour 2019

Otello

Music Giuseppe Verdi.
Librettto Arrigo Boito after the play by William Shakespeare.
Conductor Antonio Pappano.
Director Keith Warner.
Set designer Boris Kudlička.
Costume designer Kaspar Glarner.
Lighting designer Bruno Poet.
Movement Director Michael Barry.
Fight Director Ran Arthur Braun.
Running Time About 3 hrs 15 mins including an intermission.

Cast

Otello Gregory Kunde.
Desdemona Hrachuhi Bassenz.
Iago Gerald Finley.

Royal Opera Chorus.
Orchestra of the Royal Opera House.

The Royal Opera Japan Tour 2019 English Site
https://www.nbs.or.jp/english/stages/2019/roh/top.html

英国ロイヤルオペラ日本公演が9月12日から9月23日まで開催された。
ロンドンのコヴェント・ガーデンを本拠とする「英国ロイヤルオペラ」は、ウィーン国立歌劇場、ミラノ・スカラ座と並んで世界5大歌劇場の一角を占める名門歌劇場。

英国国外で楽しむことができる「英国ロイヤル・オペラハウス・シネマ―シーズン」は、2018年に10周年を迎え、今年度は世界51ヵ国1500の映画館で放映されている。シネマを通して世界中で常時放映されている歌劇場ということもあり、英国ロイヤルオペラは世界で最も勢いがある歌劇場と言われている。

映画館での鑑賞も悪くはないが、生の鑑賞に勝るものはない。9月16日、ヴェルディの名作「オテロ」を神奈川県民ホールで観た。

オテロ役を務めたグレゴリー・クンデは、透明感がある輝かしい歌声を終始披露し、聴衆を虜にした。力強い美声という点でも、白眉で、終盤まで全く崩れることなく歌いきってくれた。グレゴリー・クンデは、知性派テノールと言われ、自分の声と特徴を見極め、最適な役に絞って歌ってきたため、全盛期の声を今も保っている点で完璧なテノールと言えるだろう。

ヤーゴ役のジェラルド・フィンリーも痺れる歌声を披露した。特有の深みがある名バリトン歌手のジェラルド・フィンリーだが、あえてリアリズムから離れたところに物語を置いたキース・ウォーナーの演出効果と重なり、比類なき演技力で『オテロ』を輝かしいものにした。

指揮は、17年という長きに渡りシェフを務めてきたアントニオ・パッパーノ。
パッパーノ自身が「どうしても日本のお客様におみせしたかった!」と上演を熱望していたヴェルディ晩年の傑作『オテロ』だが、私兵ロイヤル・オペラハウス管弦楽団の演奏は、抑揚がありキレ味抜群。

ロイヤル・オペラ合唱団の合唱も本場さながらの迫力ある大合唱で、引っ越し公演でしか味わえない感動を聴衆にもたらした。