[일본 리포터=토시키 아오야마] 아사히신문 전 서울 지국장으로 한국사회를 취재해 왔던 마키노 요시히로의 새 저서 "한국을 지배하는 분위기의 연구"(문춘신서)가 흥미를 끈다. 문화나 관광에서의 교류는 번성하지만, 몇번이나 반복되는 "반일"의 움직임. 대일 관계에서 젊은이들의 격차, 여성의 사회 진출 등 여러 각도에서 한국의 분위기를 읽는다.

한국 언론의 여론 조사에서 "일본을 좋아합니다""일본이 싫었다"는 모두 2할, "어느 쪽도 아니다"가 6할. 그럼에도 불구하고 왜 반일은 멈추지 않고 한일관계는 이렇게까지 꼬여 버렸는지 저자는 묻고 있다.

한국인들의 일본 맥주 애호는 유명하지만 "요즘 눈치를 본다"와 "일본산은 살 수 없다"고 한다. 눈치를 본다는 것은 일본식으로 하자면 분위기를 읽는다는 뜻에 가깝다.

특히, 한국에서는 치킨이 맥주와 단골 세트이다. 한국은 켄터키 프라이드 치킨(KFC)보다 치킨 전문점이 많은 이유를 구체적으로 소개하고 있다.

"2013년경 은행계의 연구소가 한국에 있는 치킨 전문점의 현황을 조사한 결과 총수는 3만 6000여개에 달했다. 비등록 가게나 치킨 외의 요리도 판매하는 가게를 포함하면, 총수는 5만을 넘는다는 지적도 있다. 전 세계 맥도날드의 점포수를 웃도는 숫자라고 한다.

덕분에 한국에선 일본처럼 닭튀김=KFC라는 발상이 없다. 크리스마스 이브에 KFC에 손님이 줄을 선 것을 본 적도 없다. 치킨 전문점이 넘쳐나니 KFC에 한국인의 시선이 가지 않는다.

경쟁도 치열하다. 거리를 걸으면, 금방 치킨 전문점과 마주친다. 대부분의 가게가 심야까지 영업하고, 배달도 하는 등, 업태도 비슷비슷하다. 최근 10년간 새로 5만곳 이상이 신규 참가했지만, 치킨 전문점 "평균 수명"는 3년에도 못 미친다.

전문가의 이야기를 들어보면 "신규로 가게를 시작하는 사람들은 20대와 50대가 많다"라고 귀띔했다. 과도한 고학력 사회로서 대학 진학률은 7할을 넘는다. 젊은이는 "고학력인 내가 중소기업 따위로 갈 사람이 아니다."고 생각하기 때문에 청년 취업난이 심화된다. 한국의 실업률은 대략 4%안팎이지만 19~29세에 한정해서 보면 10% 정도로 높아진다. 자신이 원하는 일을 찾을 수 없기 때문에 자영업을 선택하게 된다.

한국은 대기업에서도 정년까지 확실히 보장을 하는 기업은 많지 않고 50대에 그만두는 사람이 꽤 있다. 이들도 재취업이 안 돼 역시 자영업을 택한다. 자영업에서 인기 있는 업종이 커피숍과 치킨 전문점. 어느 쪽이나 자본이 있으면 어떻게든 되기 때문이다. 프랜차이즈에 가입하면 특별한 기술도 필요 없다. 그래서 치킨집이 지금도 한국에서 계속 늘어나는 것이다.(아사히신문 편집위원 마키노 요시히로)

이를 읽고 한국 치킨 가게는 일본의 라멘 가게 (평균 수명은 2.4년)와 같은 상황이라고 생각했지만, 한국에서는 재벌과 대기업의 지배력이 너무 강해서, 중소 기업이 자라지 않는 풍토가 있다고 저자는 문제를 제기하고 있다.

또 역대 대통령들의 특징을 해설하는 가운데 보수와 진보라는 두 흐름이 교차하고 있다는 점, 각각 대통령의 성격과 대치한 일본 총리 및 외교관과의 관계성 등을 이해하면 그 시대에 어떤 한일관계가 있었는지를 이해할 수 있다고 한다.

이름 : 한국을 지배하는 "분위기"의 연구
신서 : 255 페이지
출판사: 문예 춘추(2020/1/20)
언어: 일본어
발매일: 2020/1/20
가격: 990엔

[본서의 내용]
제1장 좋지만 좋아한다고 말할 수 없는 일본
제2장 "헬 조선" 젊은이들의 격차 사회
제3장 연줄 (ツテ)이 지배하는 정실 사회
제4장 발전하는 여성 사회의 빛과 그림자
제5장 역대 지도자와 한국 문화
제6장 분단 국가의 숙명

저자:
마키노 요시히로

아사히 신문 편집 위원, 1965년 아이치 현 태생. 와세다 대학 법학부 졸업 후, 오사카상선 미츠이 선박(현·상선 미츠이)에 입사. 1991년 아사히 신문사 입사. 세토통신국, 정치부, 판매국, 기동특파원 겸 국제보도부 차장, 전미 민주주의기금(NED) 객원연구원, 서울 지국장 등을 거쳐 현직. "북한 비망록 군경제세습 권력의 내막" "르포 절망의 한국"(문춘신서), 전쟁 전야 북-미 교섭으로 보인 일본 유사(문예춘추), 김정은의 핵이 북한을 멸망시키는 날(고단샤+신서), 르포 단절의 한일, 북핵 위기! 전내막(함께 북-일신서), 르포 김정은과 트럼프(아사히신문 출판) 등 다수 저서.

朝日新聞前ソウル支局長として韓国社会を取材してきた牧野愛博による新著『韓国を支配する「空気」の研究 』(文春新書)が面白い。文化や観光での交流は盛んなのに、何度も繰り返される「反日」の動き。対日関係から若者の格差、女性の社会進出など、様々な角度から韓国の「空気」を読み解いている。

韓国メディアの世論調査で「日本が好き」「日本が嫌い」はどちらも2割、「どちらでもない」が6割。それなのになぜ反日は止まらず日韓関係はここまでこじれてしまったのかと著者は問うている。

韓国人の日本製ビール好きは有名だが、最近の「ヌンチをみる」と「日本製は買えない」という。「ヌンチをみる」というのは、日本語の「空気を読む」という意味に近い。

ビールと言えば、韓国ではチキンがお決まりのセットである。
韓国はケンタッキーフライドチキン(KFC)よりチキン専門店が多い理由を具体的に紹介している。

「2013年ごろ、銀行系の研究所が韓国にあるチキン専門店の現状を調べたところ、総数は3万6000余に上った。非登録の店やチキン以外の料理も出す店も合わせると、総数は5万を超えるという指摘もある。世界中のマクドナルドの店舗数を上回る数字なのだという。

おかげで、この国では日本のように「フライドチキン=KFC」という発想がない。クリスマスイブにKFCに客の列ができたところを見たこともない。チキン専門店があふれているから、KFCに韓国人の目が向かない。

競争も厳しい。街を歩けば、すぐにチキン専門店にぶち当たる。たいていの店が深夜まで営業し、配達もするなど、業態も似たり寄ったり。最近の10年間で新たに5万店以上が新規参入したが、チキン専門店の「平均寿命」は3年にも満たない。

専門家に話を聞いたら、「新規で店を始めようとする人たちは、20代と50代が多いのだ」と教えてくれた。過度な高学歴社会のため、大学進学率は7割を超える。若者は「高学歴の自分は中小企業なんかに行く人間じゃない」と思うから、若者の就職難が深刻化する。韓国の失業率は大体4%前後だが、19~29歳に限ってみれば10%ぐらいに跳ね上がる。自分が希望する仕事が見つからないから、自営業を選ぶことになる。

韓国は大企業でも定年までしっかり働かせてくれる企業は多くなく、50代で脱サラする人が結構いる。彼らも再就職がうまくいかず、やはり自営業を選ぶ。自営業で人気があるのがコーヒーショップとチキン専門店。どちらもある程度の資金があればなんとかなるからだ。フランチャイズに加盟すれば特別な技術も必要ない。だから、チキン屋が今も韓国で増え続けるのだ。」(朝日新聞編集委員 牧野 愛博)

これを読んで、韓国のチキン屋は日本のラーメン店(平均寿命は2.4年)と同じような状況にあると思ったが、韓国では財閥や大企業の支配力が強すぎて、中小企業が育たない風土があると著者は問題提起している。

また、歴代大統領の特徴を解説しているが、保守と進歩(革新)という二つの流れが交差していること、各々の大統領の性格や、対峙した日本の首相や外交官との関係性などを理解すると、その時代時代でどのような日韓関係があったのかを理解することができるとしている。

書名:韓国を支配する「空気」の研究
新書: 255ページ
出版社: 文藝春秋 (2020/1/20)
言語: 日本語
発売日:2020/1/20
価格:990円

【本書の内容】
第1章 好きだけれど好きと言えない日本
第2章 「ヘル朝鮮」若者たちの格差社会
第3章 ツテとコネが支配する情実社会
第4章 発展する女性社会の光と影
第5章 歴代指導者と韓国文化
第6章 分断国家の宿命

著者:
牧野 愛博(まきの よしひろ)

朝日新聞編集委員、1965年、愛知県生まれ。早稲田大学法学部卒業後、大阪商船三井船舶(現・商船三井)に入社。1991年、朝日新聞社入社。瀬戸通信局、政治部、販売局、機動特派員兼国際報道部次長、全米民主主義基金(NED)客員研究員、ソウル支局長などを経て現職。『北朝鮮秘録 軍・経済・世襲権力の内幕』、『ルポ 絶望の韓国』(ともに文春新書)、『戦争前夜 米朝交渉から見えた日本有事』(文藝春秋)、『金正恩の核が北朝鮮を滅ぼす日』(講談社+α新書)、『ルポ「断絶」の日韓』、『北朝鮮核危機!全内幕』(ともに朝日新書)、『ルポ 金正恩とトランプ』(朝日新聞出版)など著書多数。